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お人好しは何かと巻き込まれる【R18】

第17章 蜘蛛の残党


「もー。外ではそう呼ばないでくれと
何度も言ってただろう」

ジークベルトが騎士を嗜める。

「申し訳ございません。王っ……ジーク様」

「うん、僕は無事だよ。心配かけて
申し訳なかったね。彼女が助けてくれて
傷一つないよ。それより、蜘蛛の討伐が
終わったならすぐ王都へ帰還しよう」

ジークベルトは直ぐ様出口の扉へ向かい
騎士はルシアリアに頭を下げだ。

「あなたが助けてくださったんですね。
感謝致します。この御恩はいずれ」

お礼を伝えてから山小屋から
二人して出て行こうとする。

「おい!俺は勝負を受けるなんて一言も
言ってないからな!」

扉を出て行こうとするジークベルトに
向かってフォルトが叫んだ。

「いいよ。僕が勝手に始めた勝負だからね。
せいぜい僕に負けないようにね」

「だから俺は勝負は受けないって…」

「ルシアリア、フォルトに勝った暁には
僕にチャンスをくれ。どんなに卑怯でも
君の瞳に映りたいんだ」

そう言い残しルシアリアが返事をする前に
去っていった。

「えと…どうしよう…」

「こんな勝負は無効だ。村に戻ろう。
ギーニ達が心配してたし討伐した
報告をしないと…」

フォルトは冷静に判断しルシアリアを
連れてドラク村に戻った。

村に戻る手前で木々の上から妖精達が
みんな無事で元気に手を振ってくれたのに
気付き手を振り返した。


ルシアリアは宿で着替えをしてギルドに向かう
フォルトについていく。

「フォルト、一晩中戦って疲れたでしょう?
休んだ方がいいんじゃない?」

「いや、2・3日徹夜でも鍛えてるから
大丈夫。早くギルドに報告に行こう」

「それにしても勝負は放っておいて
大丈夫かな?」

「あんな理不尽が通ってなるものか!
まさか、あいつが勝ったら本当に…」

「違う違う!絶対ない!私はフォルト
一筋だよ!」

「ルア…うん。そうだよな。だから
勝負なんて関係ないって思ったんだ」

そんな話をしてる二人に後ろから突然
声が掛けられる。

「何の話だ?勝負と聞こえたが、また
誰かと戦うのか?」

声を掛けてきたのはギーニだった。
村の修繕に今から行くようで
シェーラも一緒にいる。

「違うよ。戦いとかじゃなくて…」

ジークベルトとの勝負を簡単に説明する。

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