第17章 蜘蛛の残党
落ちていく騎士を捕まえる事ができ
頭を抱え込むようにして衝撃に
耐えるべく力を込める。
下に落ちても深い川だし怪我をしても
自分の方が早く治るからと咄嗟に
思って出来た行動だった。
ドボォーーーン!!!!!
大きな飛沫を上げ二人は川に落ちていった。
川の流れは早く水の温度は凍える程に
冷たいがこの腕の中にいる少女を
手離す事だけはしないと騎士は誓う。
激流の中、重い甲冑は脱ぎ捨て少女を
抱えてどうにか岸に捕まり陸へ
上がる事ができた。
落ちた衝撃を少女が受けてくれたおかげで
自分はどうにか意識を保って川を乗り
超えられたが少女はその衝撃で気を
失っている。
川にいろんな物が流れていたり岩に
ぶつかったりして二人共怪我をして
ボロボロである。
少女を見ると意識はないものの息は
ある事に安心する。
運がいい事に山小屋があった。
中に入ると誰もいないがストーブがあり
薪もあった。冷たい川の水で体が芯底
冷えてしまった。
少女もこのままでは危ない。
火を起こし小屋にあった毛布を掻き集め
ストーブの前に持ってくる。
全身びしょ濡れだから、とりあえず少女の
服を脱がそうと手にかけるとマント以外は
元から破れていたように裸が見えた。
少女と思っていたが思った以上に女性の
体つきをしていた事に戸惑いつつも
体を毛布で包む。
自分も服を脱ぎ毛布に包まる。
少女を見るとかなり寒いのか
意識はないもののカタカタと
体が震えている。
意を決して毛布を一度取り自分の膝の
上に横に抱きかかえ一緒に毛布に包まり
ストーブの火を調整していく。
少しずつだがお互いの体温が戻っていくのが
わかる。
その時少女が目を覚ました。