第17章 蜘蛛の残党
「あの先は…広い場所へ出ますが
その先は崖です。崖の淵に茂みがあり
気付きにくいから危険です」
一緒に下の様子を見ていた妖精の一人が
騎士達が行った先を見ながら呟いた。
「崖!?その下はどうなってるの?」
「深い川が流れています」
「大変!知らせてあげなくちゃ!」
「ルシアリア!この結界から
出てはいけません!」
結界を出ようとしたルシアリアを
エカテリーナが止める。
「私達が知らせてみるから!」
フェアが飛び出そうとしたが
それをルシアリアが止める。
「フェア達の姿が見えないから声だけ
届いても戦ってる時に伝えるのは難しいよ。
蜘蛛除けもしてもらったし私が行って
伝えてくる!」
そう言うとルシアリアは一人結界を
出て騎士達が消えた方へ向かった。
騎士達が引き寄せてくれたおかげで蜘蛛は
いなくなっていた。いても蜘蛛除けが効いて
近付いてもこない。
しばらく走ると開けた所に出た。
開けた場所で騎士達は思う存分力がふるえる
おかげで蜘蛛の数はだいふ減っていた。
これなら崖の忠告など必要なかったかと
思ったが気は抜けない。
場所が開けてるからこそ蜘蛛も広範囲に
広がり騎士達もそれぞれで戦い陣形も
解かれている。
崖の方へ押されていく騎士がいて隠れていた
茂みから立ち上がり忠告する。
「気をつけて!その先は崖だよ!それ以上
行くと危ないから!」
ルシアリアの忠告で後ろを確認し落ちる心配
から免れたようだ。
たが、まだ蜘蛛の数は残っている。
騎士達も体力がきつくなっているように
見える。
ルシアリアは再び茂みに隠れて見ていたが、
一人崖に押されて行く騎士がいて
居ても立っても居られなくまた茂みから
飛び出した。
「こっちだよ!」
蜘蛛の意識をこちらに向かせようと
声を掛ける。
それは成功し蜘蛛がこちらに来るが
蜘蛛除けのおかげで進路を変え別の
騎士が退治してくれる。
崖側に行った騎士も大丈夫そうだと見て
いると足元がいろんな衝撃に耐えられ
なかったのか地面ごと崖に落ちていく。
「嘘…待って!」
急いで駆け付け手を伸ばすが間に合わない。
ルシアリアは落ちていく騎士に飛び付き
一緒に落下していった。