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お人好しは何かと巻き込まれる【R18】

第17章 蜘蛛の残党


「ルシアリア、あなたには感謝しても
しきれません。他の者から加護を
もらってるようだけど私からも
どうか受け取ってください」

妖精女王であるエカテリーナが
ルシアリアの回りを飛んで一回りする。

すると全身がホワッと光り消える。

「ありがとうございます。…これは
どんな効果があるんですか?」

「それは…」

「わぁあああ!助けてくれー!」

突如、叫び声が森に響き渡る。

みんなに緊張が走る。

大樹の下を見ると蜘蛛の残党が人を
襲っていた。

襲われている人は銀色の甲冑を身に纏い
強そうだが尋常ではない蜘蛛の数に
怯えてしまっている。

「あれは…王都から派遣された騎士…
蜘蛛の大量発生を聞いて来ていたのか?
蜘蛛は司令塔をなくし混乱して暴れて
いるのかもしれない。
ルア、俺は行ってくる。

その前に…ルアに蜘蛛除けの魔法を
かけとくよ。さっきの異質な奴には
効かないけど、そこらの蜘蛛には効くから。
でも危ない事はしないでここで待ってて」

「わかった!フォルトも気をつけて!」

ルシアリアが頷いたのを確かめると
ルシアリアと妖精達がいる所にさらに用心の
為に結界を張り、大樹から飛び降りて
助けに行った。

ルシアリアがいる所からフォルトはすぐ
見えなくなったが異質なタランチュラにも
余裕で勝ったので手下の蜘蛛達に
負けることはないだろう。

フォルトを信じて待つのみだ。

ただジッと待ってるだけじゃ申し訳なくて
何か出来ないかと下を見る。

先程フォルトがやっつけたにも関わらず
またも蜘蛛が湧き出てきている。

「この蜘蛛の数は異常です!
一旦引きましょう」

「しかし私達が引けば近隣の村に
押し寄せる。なんとしてもここで
引き止めるのだ!」

大樹の下には先程とはまた別の騎士達が
いるようだ。

大量の蜘蛛相手に引けを取ることもなく
勇敢に立ち向かっている。

「なぜ急に暴れ出したんだ!」

「くっ、この狭い場所では…」

「少し広い場所まで後退する!」

何人かの騎士達は陣形を保ったまま蜘蛛を
引き連れて森の奥に消えていった。

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