第2章 幼馴染から…
「ちょっと待て!
おまえ、自分が何言ってるか
わかってんのか!?」
ルシアリアの突拍子もない突然の発言に
フォルトは度肝を抜かれる。
「わかってるよ!わかって言ってる!
でももうスライムには捕まりたくないし
初めてはフォルトじゃなきゃ嫌だし。
だから、私の初めてを
もらってください!」
戸惑うフォルトの瞳に真剣に向き合う。
真正面からぶつかってくるルシアリアに
小さい頃からフォルトは弱かった。
「こうと決めたら折れないとこ
変わってねぇな」
小さい頃を懐かしく思い出しながら
自分を見つめるルシアリアの頬にそっと
手を伸ばす。
5年前よりずっと大人びた顔。
パッチリな目元は変わらないが、
唇は紅もつけてなさそうなのに
赤く潤っている。
触れている頬も高潮して赤くあったかい。
ずっと会いたかった存在が
目の前にいて、同じ気持ちで
いてくれる。
「本当に…いいのか?」
引き返すならこれが最後だというように
もう一度意思を確認する。
「うん!フォルト、私の初めてを
もらって!」
変わらない決意に、フォルトは
はあぁぁーと大きくため息を吐いて
自分を落ち着かせる。
「せっかくの初めてがこんな場所
だなんて…ごめんな」
「な!なんでフォルトが謝るの?
私から言った事なのに」
「俺が男だから」
「なにそれ」
「もういいから黙ってろ」
そう言ってフォルトからの口づけが
そっと降り注いだ。