第13章 勘違いから…
「あ…そういえば、エキドナさんの
加護…?」
「エキドナの加護?加護をもらったのか?」
治癒力が上がった事に思い当たる事は
エキドナの加護しかない。
少し魔力が上がる程度と言っていたのに
これは少しどころではない気がする。
「うん。仲良くなって加護をくれたの」
「そんなに仲良くなれるなんて…
さすがルアだな」
「フォルトも頬を怪我してる。
今、治すね」
手をかざし頬に温かさを感じると傷も
残らず綺麗に治った。
「大した事なかったのに…でも
ありがとう」
フォルトがルシアリアの頭を撫でようと
したらルシアリアの横から勢い良く
シェーラが抱きついてきた。
「ルア!ありがとう!私、
ひどいことしたのに…本当に
ありがとう」
涙を流してギーニの回復を喜ぶ。
「我からも礼を言う。魔王を倒した奴
だというのに侮っておった」
「どういたしまして。無事で良かった」
皆、微笑み合い場が和む。
フォルトだけがルシアリアとの触れ合いを
邪魔されて拗ねていたがルシアリアの
笑顔を見てるとすぐに機嫌も戻った。
「それより、ここに来る前どこに
行ってたんだ?村に着いたと思ったら
急に遠くに離れて…いつの間にか
真上から飛び降りてきて…ペンダントが
反応したから何かあったんじゃないか?」
「それは…私が…」
「盗賊に攫われたところをシェーラが
助けてくれたの!」
シェーラの言葉を遮りルシアリアが
弁明する。フォルトに心配をかけたく
ない事もあってそう伝える。
シェーラは何か言いたそうにルシアリアを
見たがルシアリアはただ微笑む。
「あなたって本当にお人好しね」
呆れつつもそんなルシアリアにシェーラは
救われた気がした。
「…そういう事にしておくが、その
盗賊はどうしたんだ?」
「そういえば!そのまま
置いてきたんじゃ…」
「大丈夫よ。風魔法で捕らえてあるし
風を呼び寄せればわざわざ行かなくても
ここまで連れてこれるわ」
すっかり盗賊の存在を忘れていた
ルシアリアは焦るがシェーラが
しっかり対処しててくれたので
安心する。