第13章 勘違いから…
「それより私とすぐ来てあなたの恋人を
止めてほしいの。
あなたにしか止められないって聞いて…」
「フォルトがどうかしたの?」
シェーラの様子にただならぬ雰囲気を
感じてフォルトが心配になる。
「あなたの恋人は大丈夫よ。それより
ギーニが殺されちゃうわ。早く助けて」
今にも泣き出しそうなシェーラ。
「わかった、すぐ行く。けど近くに
女の子が隠れてるからその子も
連れていっていい?」
「さっき入り口にいた子ね?
いいわよ。さぁ、早く!」
シェーラも了承して女の子を
連れて3人で洞窟を抜け出した。
洞窟を抜け出したら驚く事が起きた。
シェーラが人の姿からドラゴンに
変わったのだ。
紫色の鱗が煌めく大きくて綺麗な
ドラゴンだ。
「さぁ、乗って!」
女の子は怖がりルシアリアに
抱きついてきたがそのまま抱っこして
シェーラの背中に乗った。
「シェーラはドラゴンだったのね。
ステキ!綺麗!」
急がないといけない事態だが興奮して
しまうルシアリア。
シェーラがドラゴンということは
ギーニという人物もドラゴンで
フォルトの今回の目的の相手だと
ルシアリアの中で結び付いた。
「ルアは私の事、恐くないの?」
「どうして?とっても綺麗なのに」
「あなたの感覚ってきっとズレてると
思うわ」
普通ならルシアリアの腕の中で怖がっている
女の子のような反応が返ってくる。
しかしその違う反応がシェーラには
嬉しかった。
魔法で結界を張ると、結界がないと
息も出来ない程のスピードで村の
方角に飛翔する。
村を通り過ぎリューマ火山が近づくと
激しい衝撃音が聞こえてきた。
下を見下ろすとフォルトが相手に
トドメを刺そうとしているところだった。
ルシアリアは考えるより先に体が
動いてしまった。フォルト達が
戦っている真上に到着したと思った瞬間
女の子をシェーラの背中に置いて
背中から飛び降りた。
「フォルトー!!ダメェェェ!!!」