第13章 勘違いから…
また場面は変わり…
ルシアリアをイカせた盗賊が満足気に
見下ろしてくる。
「どうだ。気持ち良かっただろ」
「…全然っ!」
ルシアリアは負けまいとキッと
睨むが効果はない。
「こんなに感じて何言ってん…だっ」
「ひゃあっ」
胸の頂きを摘まれ身体がビクッと
反応する。
「可愛い反応するじゃねぇか。さてと
こっちも楽しませてもらおうかね」
盗賊がズボンを下ろそうと手が離れた
瞬間を見逃さずルシアリアは逃げ出す。
「あっ!このっ!」
「待て女!」
来た方向とは逆の方へ洞窟が続いてる
ようなので乱れた服を直しながら
洞窟の奥に駆け出す。
しかし足がもつれ、いつものように
走れない。すぐ追いつかれて掴まる
と思った瞬間、強い風が舞い起こった。
強い風に目を閉じ、次に目を開けると
目の前にドラク村で会った美少女が
ルシアリアを庇うように立っていた。
「あんた達この子に何してるのよ!」
金髪のふわふわな髪が舞い上がったと
思ったら強風が吹き込み盗賊達を
薙ぎ払い一瞬で気絶させた。
突然の出来事にポカンとしてると
美少女がクルッとルシアリアに向き直る。
「この30分もしないうちにどうして
襲われてるのよ!」
美少女に怒られると迫力がある。つい
「ごめんなさい」と反射的に
謝ってしまった。
「あぁ、違う!そんな事言いたかった
わけじゃないの。私はシェーラ。
ごめんなさい!私、勘違いしてたわ。
最近ギーニが探し求めていたのは
あなただと思ってヤキモチやいたの」
ギーニが誰かわからないがシェーラが
想いを寄せてる人なんだろうと予想がつく。
「私、風魔法が得意で捜索が使えるの。
あなたの名前と村に来たばかりって
聞いてすぐあなたとわかったわ。
ギーニが人間の女にうつつを抜かす
なんてと…私、こんな所まであなたを
連れてきてしまって…。
しばらくここに隠してギーニに頭を
冷やすようにさせようと思って
遠くに連れてきたのだけど
まさか盗賊がこの洞窟にいるなんて
思わなくて…ごめんなさい」
シュンと項垂れ本当に反省しているようだ。
「…ううん。…盗賊から助けてくれて
ありがとう」