第2章 黒の暴牛
ヤミ「つーことで、このコムギが今日からうちで生活することになった。」
ヤミに紹介されたのは3人の団員。
とても美人だがいつもお酒を飲んで酔っ払っているバネッサ。
なんて言ってるか分からないゴードン。
フシュー、とずっと言っているグレイ。
「よ、よろしくお願いします。」
バネッサ「あらぁ〜、可愛い子じゃなぁい。こちらこそよろしく〜。」
ゴードン「……ょ…」
グレイ「フシュー…。」
(…一応、歓迎はされてるみたい。よかった…。)
3人が放つ雰囲気でわかる。
コムギは少し不安に思っていたが大丈夫そうだ。
ヤミ「だから大丈夫だって言ったろ。」
「はいっ!」
コムギはヤミに笑い返す。
ヤミ「なんだよ、お前そんな顔もできるんじゃねぇか。」
ヤミはコムギの頭に手を置く。
コムギは少し照れくさくなってうつむいた。
バネッサ「それにしても可愛い顔をしてるわね〜。将来ものすごい美人さんになりそう。」
「い、いや、バネッサさんのほうが…。」
紹介された3人に囲まれながら、わちゃわちゃする。
コムギの笑っている姿を見てヤミも安心する。
ヤミ(あの様子ならほかの2人も大丈夫そうだな。)
黒の暴牛にはあと2人の団員がいる。
訳あって今は紹介できていないがあの3人とあれだけ打ち解けるのであれば大丈夫。
ヤミ「コムギの身の回りのものは任せていいか、バネッサ?」
バネッサ「もっちろんです〜。部屋の案内もしますね〜。」
ヤミ「おう、頼むぞ。俺は野暮用で出掛けてくる。」
「あ、お気をつけて。」
ヤミ「おう、ありがとな。あ、バネッサ。金ならこれだ。ユリウスの旦那から渡されてる分があるからそれで買ってやってくれ。」
バネッサ「了解です〜。さあ、行きましょ!」
コムギはバネッサと城下町へ出かけることになった。