第1章 女神誕生
クローバー王国とダイヤモンド王国の国境付近にあるとある村。
その村で今日ひとつの命が誕生した。
父も母もクローバー王国では1番地位の低いとされている下民の村で生まれたその少女。
下民・貧民と呼ばれる生活ではあったが、両親からの愛情を受けすくすくと成長していった。
そして数年後には目を疑うような美少女へと成長する。
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「お母さん、ゆっくりしててね。」
父は村の中心部で畑を借りて農作業をしており日中は家にいない。
日中家にいる母は数ヶ月前から体調を崩しておりコムギが家事全般を行っている。
母「ごめんね、負担をかけて、。」
「負担なんかじゃないよ。お父さんとお母さんの手伝いが出来て嬉しいから。」
母「コムギは優しいね」
「ふつうだよ。」
そう言って母に笑顔を見せ、村から歩いて数時間かかる川に水を汲みに行く。
ただコムギにとって数時間も数分も関係がない。
なぜなら、
「じゃあちょっと行ってきます。」
そう言いながら微笑むと周りが一瞬眩しくなり母は目をつぶった。
そして目を開けた先にはもうコムギの姿はなかった。
母「相変わらずすごい力…、こんなに早く移動してしまうなんて…。」
コムギは下民と呼ばれる者たちの中でも秀でた魔力を持っていた。