第1章 先輩と彼女
「環先輩!」
大好きな人の背中が視界にはいったので声に出てしまった
始業式の放課後に残る生徒は用事があるか暇かどちらかだろう
もちろん私は前者なのだが
少し大きな声で呼んだためか、ビクッとしながら振り向くと
彼は少し安堵したように頬を赤らめる
かわいい
本来なら始業式の後は早めに帰宅する1年生だが、先生に呼び出されていた為遅くなることが確定していた。
上級生と帰宅時間も変わらないため門で待っていてくれると約束してくれていたのだが
彼は門よりも少し離れた茂みに隠れていた
それでも見つけてしまうのは愛なのかもしれない
「お、お疲れ…」
「お待たせしました、待たせちゃいましたよね」
「大丈夫、ミリオも残ってたし」
じゃあ帰りましょうかと進もうとしたら制服を少し引っ張られる
まだ付き合って間もないため、少し緊張してしまう間だが
環も年上だからか頑張っているのがわかる
環は顔を赤らめながらも、視線をそらして手を差し出す
「手…」
一般的には逆なような光景だと思うが
可愛すぎて心臓が握りつぶされそうなぐらいな衝撃を受けた
手に汗かいてないか、スカートで少し拭いて
恐る恐る手を取ると
環と目が合う
ホッとしたのか笑顔に2度目の衝撃を受けた
(心臓もたない…)
こんな可愛らしい態度をとっていても上級生
ビックスリーなんて呼ばれていたりもする凄い先輩だ
繋いだ手も、もちろん男の人の手で意識するとこっちも緊張してしまう
「まみさん?」
手を意識して思わず黙ってしまったので環は覗き込むように心配していた
「あ、環先輩の手が…大きいなって…」
「あ…」
2人して繋いだ手に意識して顔を赤らめてしまった
「帰ろうか…」
手を繋いだまま校門を後にする二人は普通の学生で、ヒーローを目指す二人にはとても貴重な時間だった
とくに環には学生としての時間はあまりないわけで悩んでしまうこともあったりするのだが
#NAME#は高校に入学したばかりで憧れていた環と付き合えたことだけで喜んでいたりする
「あ、あのさ…あの…」
相変わらず視線は合わないが顔を赤らめながら言いにくそうに言葉を絞り出す
「環先輩?」
「えっと…まみさんは、まだ…時間大丈夫かなって、大丈夫だったら…もう少し
」
「あ、なんだ大丈夫ですよ!」