第3章 父の思い
唇を重ねるだけ、と思っていたのだが。
彼女の舌が俺の舌を絡め取る。大人しい娘だと思っていたが、存外積極的なのだな、と思う。あいつならこういった場合どうしているだろう、と考える。考えていると、
__余所見しないで。私を見て。
と言って、今にも泣きそうな顔で甘えてくる。
仕方あるまい、と思って俺は腹を括った。
今日は何か凄い、と彼女が言う。何がだ、と問うと、動きが違うと言う。こういうのは嫌かと尋ねると、いつもより良い、と言って腰を捩る。
そんなことを言われると、俺も悪い気はしない。存分にこの美しい娘を満足させてやろうと思ってしまう。
俺は更に動きを早めた。彼女の声がますます大きくなり、美しい顔が歪められる。幾つになってもこの瞬間は堪らなく良いものだ。そう思った直後、彼女は
__何か出てしまいます
と言うと、布団を大きく濡らした。