第8章 捌
俺はおそらく彼女以上に動揺していたに違いない。声を出すことすら出来なかった。すると再び、
「そこにいるのだろう。早く開けて入って来い」
という父の声が聞こえた。
腹を決めた俺は一つ大きく呼吸をすると、失礼します、と言い、衣服も整えぬまま障子戸をそっと開けた。
直接目に入ってきたその光景は、あまりにも扇情的だった。
彼女は軽く頭を振って抵抗してはいるが、脚を持ち上げられ、とろりと滴る蜜を父自身にこれでもかと絡ませて誘惑し、挿入を欲しているのが解った。
一瞬で俺の下半身が熱を取り戻した。
「ここに入れてもいいぞ、杏寿郎」
と父は彼女の体を後ろから抱えるように抱くと、そこを指で広げながら言った。
俺の精は、陰嚢の中で沸騰しそうだった。
彼女は俺の勃ち上がったそれをちらりと見ると、頬を赤く染め、眼を伏せながらいやいやをするように首を振って抵抗した。抵抗しながらも蜜がつうっと一筋落ちてゆく。精がぐつぐつと煮え返る程、その姿は官能的だった。俺は思わず熱くなったそこを握り込んだ。
いやいやをする彼女に父が耳元で何かを囁くと、その一言で彼女は一気に大人しくなった。俺はその遣り取りが、一瞬苦く感じられた。
だがそれ以上に俺はもう辛抱堪らなかった。
父と同じように自身を秘裂に擦り付ける。彼女のとろりとした蜜をまずはたっぷりとそこに絡み付けたかった。彼女がそれを悦ぶ姿はくっきりと目に焼き付いていた。
よく見ていたのだな、と父が喉の奥で笑いながら言った。
「入れる前にこの突起も擦ってやれ」
と父は言うと、その皮をそっと剥いた。
それは小さく薄紅色をした突起だった。その控えめであるが淫猥な突起はまるで彼女そのもののようだった。
「初めは優しく擦ってやれ」
俺はその場所を確認しながら、彼女の蜜を自身の先端に再度たっぷりと絡ませた。そして、剥き出しになった淫猥に当てがった。
彼女の体が大きく跳ねた。その反応が愛おしかった。俺は何度もその突起に自身を擦り付けた。彼女の声と蜜が次々と溢れ出す。間近で聞く彼女の声は想像以上に艶かしく、そしてその蜜は厭らしく、俺を誘ってねっとりと絡み付いた。