第15章 いくらなんでもさ……
「あの、これってどうしたらいいですか?」
「先に7番に運べ。その後12番の皿を下げ、ついでに4番にドリンクの追加が必要かを聞け。
4番のやつかなりの時間長居してるから、さりげなくオススメして追加注文を促してみろ」
「オススメってどうしたらいいんですか?」
「最初はドリンクから、注文するってなったら今注文されたドリンクですとこの料理との相性が良いので非常にオススメですって言ってみろ。
食いつきそうなら、すぐにお持ちしますので御一緒のタイミングで用意いたしますねって言ってキッチンに早急に作るように言えばいい」
「すみません、次こっちの指示お願いします!」
というか、ジェイドさんとフロイドは何やってんだ?
こんなことしてたら絶対止めに来るなりするだろ、しかもただの客がしゃしゃり出て新人に指示とか出してるんだよ?
経営者として恥ずかしさとかないのかよあいつら。もう一回言う、私は一応客なんだけど。
「姉貴、来てくれたんだな!」
「約束してたからね、あんたは洗い物担当なんだね」
「ああ、けどこれ全然終わんなくてさ……」
「随分と効率の悪い洗い方してるね。
この類の皿から洗った方が水はけもいいし、積み上げても倒れてこないからこの順番に洗ってみな」
「すっげーよ姉貴! あいつらこんなこと教えてくれなかったのに」
「知らないか、あんた達を苦しめて楽しんでいるかのどっちかだろうが……流石にこの環境は笑えないね。客の立場から見ても、これはバカにされているとしか思えないわ」
てかさ、私の注文した料理とドリンクはどこ?
さっきから自分の席見てるけど、一向に置かれる気配がないんだけど。これブチ切れてもいいよね?