第14章 頭のいい子は好きだけど……
「おや、イソギンチャクさん達が沢山集まっていますね」
「あ、記子ちゃんじゃん! 久しぶり~」
これだけ大勢いると、目立つのも無理は無いが厄介な人達に見つかってしまったな。
サバナモブに早くホットサンドを食べるように言ってから、絞めてきたフロイドを受け入れる。
「記子ちゃんイソギンチャクと何話してたの~?」
「助けてくれと泣きついて来たから、自業自得だって叱咤してただけですよ。お二人はこれからお昼ですか?」
「ええ、イソギンチャクさん達が席を確保しておいてくれたようで助かります。しかも貴女の隣とは、気が利きますね」
「……生憎もう食べ終わりましたので、私達はこれで失礼します。先輩方はゆっくり召し上がって下さい」
そう言って席を立とうとしたが、フロイドは離れようとしない。
あまり長居はしたくないんだけどと思いながらも、グリム達に合図を送り、私だけ残る事にした。
「あれ~カニちゃん達先に行っちゃったね」
「おや本当ですね、彼らとも少しお話したかったんですが」
「私には追い出そうとしているようにしか見えませんでしたが。ところで、そろそろ出てきたらどうなんですか……アズール先輩」
そういえば、かなり驚いたような表情を浮かべてアズールが近付いてきた。
「いつから……」
「ところでアズール先輩、論文と小説ならどちらが好みですか?」
「……はい?」
「論文と小説、どちらが好みかと聞いたんです」
「……それでいくと、論文の方が好ましいですが」
「良かった、私と同じ考えのようで安心しました。先に結論を知りたがるという事は、話す際にも回りくどい話はしないということですよね?」
わざと遠回しに要件を聞き出せば、明らかに動揺しながらも私の前に座り、ひとつ咳払いをしてから話し始めた。
「貴女、一体何処まで知っているんです?」