第12章 大方想像通りだけどさ……
着くなり泣きついてくるエースの頭を軽くしばきながら、作ってきた問題集を渡して解かせる。
「そうそう、エースはこの分野を覚えるのが早いね。デュースはこっちかな?」
「すっげー! 俺今までで一番頭いいかも!」
「当たり前だ私が教えてるんだから。これで赤点でも取ってみろ、今後の学生生活笑って過ごせると思うなよ?」
「記子、ありがとうな。俺絶対にお前から教えてもらったことを無駄にしないように頑張る!」
「オレ様もホットサンドの為に頑張るんだゾ!」
まあ、少なくともこいつらなら大丈夫だろ。
私の”手の届く範囲だけしか見れない”けど、”あんた達には手は出させない”よ。
それから無事に試験が終わるまでの間、アズール達からの接触は無かったが、監視されているのだけは伝わってきた。
こそこそしないで堂々とすればいいのにね、そういう所はまだ子供なんだろうな。
「記子に教わったところ、全部出てたよな! しかも問題の出し方もまんまだったし!」
「問題を作る側の気持ちを考えた結果だよ、私が問題を作るなら、こう出すだろうなって思っただけ」
「親分、オレ様全部埋められたんだゾ! きっと満点なんだゾ!」
「それは楽しみだねグリム、満点じゃなかったとしてもちゃんとスペシャルホットサンドは作ってあげるからね?」
「俺も食いたい! 作ってくれよ!」
「僕も食べてみたいな……グリムに頼んでもくれないんだ」
まあ、こいつらも頑張ってたわけだしいいか。
まとめて作る方が楽だしな。
けど正直食堂に売られてるパンの方が美味しいと思うよ?
「親分の作るホットサンドは、宇宙一美味いんだゾ!」
「そんな大層なものじゃないよ、食堂で作られてるやつの方が美味しいよ」
「親分のホットサンドが一番なんだゾ! オレ様親分の作るホットサンドしか食べたくねえんだゾ!」
「嬉しいこと言ってくれるね、ありがとうグリム」
「そう聞くとますます食いたくなる! 明日の昼に作ってくれよ!」
「ああいいよ、じゃあ明日の昼はオンボロ寮に集合して。出来たて食べさせてあげる」