第7章 サバナモブよ、一つ言わせてくれ
例のサバナモブ事件以来、完全に懐かれてしまった。
「姉御、お疲れ様です!」
「席取っておきました、座ってください!」
「ありがとう……そこまでしなくてもいいんだよ?」
「いえ! 俺達がしたいだけなんで!」
「俺達にお礼まで言ってくれるなんて……なんていい姉御なんすか!」
これ絶対レオナさんからお呼び出し案件じゃん、めんどくさいんだけども。
「お、いたいた。アンタが記子っスね、ちょっと一緒に来てもらうっスよ!」
ほら来た、うちのもんが世話になってるらしいな的なやつ。
てかひとついい?
用があるなら自分で来いよ、何ラギーくんに頼んでんの?
自分から来る根性のないやつと話したくないんだけど、何様なのあの人。
あ、ごめん一応第二王子だったね。
けどさ、ここにいる以上は同じ学生なわけだし、先輩だとしてもラギーくんをこき使うのはお門違いなんじゃないかな?
「大方貴方が用があるわけではないんですよね?
でしたらお断りします、用があるなら自分の足で出向けと言っておいてください」
「それだと俺が怒られるんスよね、てなわけで……」
これ愚者の行進(ラフウィズミー)使って強制的に連れていかれるパターンやん。
ふざけんなよマジで、指図されてたまるかってんだ。
「……あれ、なんで」
「気合いだよ、魔法じゃ心は操れない。心を強く持てば逆らうことなんて簡単だよ」
こういう時だけは、クソ上司に感謝だな。
私の心を修羅にしてくれてありがとう。
お礼に末代先まで祟ってやるよ。
というか待って、この学園って心弱いやつしかいないってことになるよね?
まあそうじゃなかったらオバブロ祭りにはならないか……私メインストーリーヴィルさんまでしか知らんけどな。