第6章 腹減ってタルト食ったら首はねられた?
夜、グリムと家でのんびりくつろいでたら、ドアが物凄い勢いで叩かれた。
大方エースだろうな、タルト食ったのがバレてこっちに避難してきたんだろ、マジで自業自得すぎ。
「親分、開けなくていいのか?」
「うん、不審者かもしれないからね。もう少ししたら静かに”させる”から、グリムは今日の復習でもしてて?」
頑張ったらツナマヨホットサンドを作ってあげるというと、嬉しそうに勉強を始めた。
よしよしと頭を撫でてから、外にいるやつを静かに”させる”為に、二階の窓から飛び降りた。
「うわっ!」
「侵入者を確認、排除します」
「待て待て俺だよ! エース!」
「余計に即排除します」
「待てってば!」
あまりにもうるさいので、中に入れてやった。
案の定、タルトを食ってんのがバレて首輪をかけられたと愚痴ってきたから、そこら辺にあったスリッパで頭をしばく。
「いってっ!」
「盗みは立派な犯罪だろうが何逆ギレしてんだはっ倒すぞ」
「もうしばいてんじゃん!」
「どうやら足りねえようだな朝までコースと行こうじゃないか」
「わーったって! 謝ればいいんだろっ!」
まだ分かっていないようなので、エースの首根っこを掴み、ハーツラビュル寮へと向かう。
「夜分遅くに失礼します。
そちらの寮のエースくんが、誤って私の寮まで来られてしまったようなので、お連れしました」
にっこりと笑顔でそう言い、エースから手を離す。
しばらくして、物凄い顔をしたリドルさんが出てきた。
一旦談話室に通され、一緒に座る。
「エース……一体君は何度!」
「リドル先輩、一つご提案があるのですがよろしいですか?」
今にもオバブロしそうなリドルさんを遮るように私は言った。
「お察しの通り、彼は全く反省していないようですので、今晩私の寮で引き取らせていただけませんか?
このまま引き渡しても、リドル先輩も休まらないでしょうし、彼には本当の反省の意味を知っていただく必要があるかと思います」
「君の言う通りだ、だけど彼は僕の寮生だ。寮長である僕がしっかりと教えないと……」
「お言葉ですが、リドル先輩の指導では改善されないかと思います」