第5章 躾のなってない獣は……
「ふーん、こんな風に観察することも出来るんだ」
イメージしたのは、真っ暗な空間に閉じ込めて、悪夢を見せるっていうものだったんだけど……私もあの空間に入れるのかな?
そんな事を考えてたら、いつの間にか目の前に大きな扉が現れ、開けると獣達がいた。
「悪かった! 悪かったから許してくれ!」
「ここから出してくれっ!」
「何が、悪かったの?」
扉を閉めながら私は獣達を見下す。
本当に反省しているなら、何がどう悪かったのかまで明確に説明できるはずだ。
「それはっ……!」
「誰に対して、君達は何をし、その結果どうなったのか。
その上で何に対して自分の非を認め、謝罪するのか。
ここまで説明できてこそ、真に反省していると言えると思うんだけど、私に言われてから気付いている時点で反省してないから……一生ここで悔いてろ、ガキ共」
それから約一時間後、再び様子を見に行ったら、見違える程に成長してて本当にさっきの獣達かと思うくらいの謝罪をしてきた。
「差し支えなければ、姉御と呼ばせてはいただけないでしょうか!」
「まあ別にいいけど」
「「ありがとうございます!」」
とりあえず反省したようなので、出してあげた。
何故か荷物を持つと言われ、寮まで運んでくれた。
お礼を言うと、千切れるんじゃないかと思うくらいに尻尾を振ってた。
素直な子は可愛がるよ。