第5章 躾のなってない獣は……
買った材料を置きにいこうと、寮へ戻りたいだけなのに……どうしてこうも絡まれるんだよ。
よりによって獣とは本当に頭が痛いね。
「ここは俺達の縄張りだって言ってんだろ!」
「通りてえなら分かるよな?」
しかも会話がまともに出来ないときた。
クルーウェル先生じゃないけど、躾がなってないな。
「それを証明できるものは?」
「ああ?!」
「物的証拠もないとなると、ただの自称になるんですが。
そもそもここは学園が所有する土地であって、貴方達個人の所有地ではありませんよ?
有権者か学園関係の方なんですか?
それにしても随分と品がないんですね、将来が心配でなりませんよ」
「てめぇっ!痛い目に遭いてえのか!」
やれやれ、ただでさえ相手にするのも面倒だっていうのに……仕方ない。
ちょうど試してみたいこともあったし、利用させてもらおう。
「口の減らないガキに自由は無い……罰の時間(タイム・トゥ・パニッシュメント)」
マジカルペンを持ち、そう唱えると目の前にいた獣達が消えた。
そっとマジカルペンの先端についている石を覗くと、先ほどの獣達が怯えた表情で震えている。