第4章 飛行術といえば……
飛行術、普通に楽しかったな。
ちゃんと飛べたし、めちゃくちゃ褒められた。
三人は壊滅的だったけど、なんだかんだ楽しそうだったしまた一緒に授業受けたいな。
「親分~オレ様腹減ったんだゾ」
グリムがキラキラした目で見てくる。
多分黄金糖にハマったんだろうな。
まあ変な黒い結晶みたいなやつを食べるよりはこっちの方がいいからね。
「今日の授業、全部頑張って受けていたもんね。はい、口開けて?」
「ん~これうまいんだゾ!」
「ミステリーショップで売ってるかな? 材料さえあれば作れるんだけど」
今時間あるし、行ってみるか。簡単な材料で作れるしね。
「……あるんだ」
あったよ黄金糖、しかも材料も。これで糖分は確保できるね。
「サーンキュ、小鬼チャン♪」
ミステリーショップって本当になんでもあるんだな。コンビニ的な感じかな。
これで自分のご機嫌取りは出来るね、黄金糖があれば私の機嫌は直ぐ良くなるから!
「グリム、これで黄金糖を沢山作れるよ。また沢山頑張ったらあげるからね」
「にゃっは〜! オレ様もっと頑張るんだゾ!」
「お、なんだか楽しそうだな!」
あ、この声は陽キャの塊カリムくんじゃないか。
ジャミジャミの胃をいじめるのが好きな人ってイメージしかない(失礼)
「騒がしくしてすみません。えっと……」
「俺はカリムだ! それ、キラキラしてて綺麗だなー!」
「こんにちはカリム先輩、記子と申します。良ければ一つ……あ、いえ何でもないです」
忘れてたけど、カリムくんってジャミジャミの作ったやつしか食べられないんだっけ。
当然毒なんて入れてないけど、何か言われても困るし、あげるのはやめておこう。
「なぁ、一つくれよ!」
こっちの気も知らないで何言ってんだあんたは。
そんなんだから余計にジャミジャミを追い詰めてんだよ自覚しなさいよ少しは。
「また今度持っていきます」
「じゃあその時は俺の寮にきてくれ! 歓迎会を兼ねて宴をやるぞ!」
やめて差し上げろジャミジャミが吐血する。
今度ジャミジャミに会ったら、何も言わずに胃薬をあげよう。うん。