第10章 ナツ 「ちょっとだけ成長…?」
あー、恥ずかしい。頭冷やそ。
そう思いながら着替えてナツの下着の替えも用意して置いておく。
「もういいよー。ごめんね。ナツ」
「お?なんで俺謝られるんだ?」
大きめのタオルで雑に体を拭くナツ。
着替えるだろうからその場から離れることにした。
出てきて小さいタオルを私に差し出すナツ。
あ、髪の毛拭いてって言うことね。
「じゃあここ座ってくださーい」
「あい」
ベッドに座る私の足の間を開けるとナツもそれを見て間に大人しく座り込んだ。
タオルで髪の水分を飛ばしている間ナツは何かを真剣に考えている。
ある程度タオルで髪の水分をとばしてドライヤーを持ってこようと立ち上がった瞬間。
急にナツが私の方に振り返ってベッドに押し倒してきた。
「ちょ、待った。なんですか」
お腹の上に乗っているナツを見上げる。
「お前が言いたいこと多分俺わかったぞ。してみてもいいか?」
自慢気に鼻を高くしている。
してみる……?
考える隙もなくナツにキスをされる。
「んっ…。ナツ?」
ナツは無言で私の両手を片手で掴んで上に持ち上げてから握る。
もう片方の手を私の腰の下に回しこんで完全に私とナツの間に距離がなくなった。
「あのー…、ナツさん?水が...」
「……知らねえ!」
本日2度目のキスは今までで1番甘かった。
目を開けるとナツの寝顔が目に入る。
「可愛いなぁ…」
思わずため息を零す。
何か飲もうと立ち上がろうとすると少し腰の辺りに違和感を覚える。
なんか生々しすぎて1人恥ずかしがっていると
「何してんだ?」
と少し枯れたナツの声が聞こえる。
「……ううん。ナツ。私といつも一緒にいてくれてありがとう。大好き!」
と微笑みかけるとナツも柔らかく笑う。
「おう。」
ナツはまた目をつぶった。
-𝑒𝑛𝑑----------