• テキストサイズ

短編 フェアリーテイル

第7章 コブラ 「ずっと想って」


あの後からエンジェル様と仲良くなって、コブラ君も前よりも気にかけてくれるようになった。

楽しい日々が続いていたのに。



私は唖然とするしかなかった。


「コブラ君が負けた…?」


ブレイン様が行く場所について行くとコブラ君がヨロヨロと立っていた。


「よくやったな、コブラ」


ブレイン様が労いの言葉をかけた時、コブラ君は涙を流して倒れた。
悲しそうで、何故か驚いていて。

コブラ君を離れたところに連れて行って私は何も言わずにコブラ君の頭を撫で続けた。

コブラ君頑張ったもん この時くらい休まなきゃ。
また今度妖精の尻尾の人達にリベンジしようね。



でも、またなんて来ないようで。

ミッドナイト様もブレイン様も皆やられた。

評議員の人達がここに入ってきたようだ。


「私も捕まるのか……。すごいな」


初めてで出来ればしたくない体験だけど、皆と一緒ならどこでもいいかな。

そう思いながら立ち上がる。

するといきなり後ろから手を引かれて草むらに押し倒された。


「え……?どうしたの?」


コブラ君が私を見下ろす。
強い力で腕を握られていて痛さに顔を歪める。

するとコブラ君は大きい声で叫んだ。


「お前だけでも、殺してやる!俺が情けねえと思ってんだろ!?」


……?何を言ってるの?


「コブラ君?」


「黙れ!黙れ黙れ!殺してやる!!」


そして首に手をかけられた。
……なんで?コブラ君どうしたの……?


「うぜぇんだよ!勝手に俺らと仲良くなったとか思ってんじゃねえよ!!」


目に涙をためる私の顔をコブラ君は見ない。
手に力を入れられた瞬間、コブラ君の手が評議員の人達に掴まれた。


「毒竜のコブラ、確保!」


コブラ君の手に手錠がかけられる。


「コブラく、」


「早く!……連れてけよ」


苦しそうな顔をしていた。
コブラ君は立ち上がって評議員の人達とどこかへ行ってしまう。


「お姉さんは仲間、ですか?」


1人の若い男の人に聞かれる。


「…………いいえ、違います」


そう呟いて、私は涙を流した。
男性は慌てて私にハンカチを差し出す。


「ああ!怖かったですよね!……僕がきっちり街までお送りしますから。任せてください!」


にっこり笑う男性にこくっと頷いた。



/ 197ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp