第7章 コブラ 「ずっと想って」
それから何時間か話した。
聞きたいことを聞こうか迷っても何かピンポイントで答えてくれるから凄い。
これから仲良くしてくれるみたいで様呼びはやめろと言われた。
......嬉しい。
「……うるさいんだけど、誰」
下からミッドナイト様の声がする。
「あ、起きちゃったみたいですね」
「ああ。そうだな」
私が下に降りようとするとキュベリオスさんが気づいて下におろしてくれる。
「…………誰?」
彼は私の顔を見てからコブラ君の顔を見た。少し前に自己紹介したばかりなんだけどな…。
「カナタだ。覚えてやれ」
「……なんで?」
コブラ君は溜息をついた。
なんとなく歓迎されてないのは分かってたけどこうも目の当たりにするとキツイな。
「コイツはお前の心配してくれてたんだよ」
「別に頼んでない」
……確かにそうだよね。
「ごめんなさい。ミッドナイト様。しかしもう遅いですし帰りませんか?」
微笑んで私は手で催促した。
するとミッドナイト様は立ち上がった。
「………うん」
ミッドナイト様は私の後ろに着いてくる。コブラ君は私の横にきた。
「ミッドナイトはあーいう奴だから気にしないでいいぞ」
ボソッと耳元で呟かれる。
「あ、良いんです。あまり良く思われてないのは分かってますし…。私も皆さんの仲に割り込もうと思ってないから」
そう言うとコブラ君は少し立ち止まってから私の頭に手を置いた。
「あんま悲しい事言うなよな」
「ねえ、ボクの前でイチャつかないで」
不機嫌を隠さない声でそう言って私たちを追い抜いていくミッドナイト様。
イチャつくって……。
「それと……、…………ありがと」
とんでもないくらい小さい声でお礼を言われる。
ビックリして固まっているといつの間にかミッドナイト様は居なくなっている。
「な?なんだかんだ皆良い奴なんだよ」
フッと笑って私の手を引く。「そうですね」と嬉しくて微笑むとあることを思い出す。
「あ!ご飯作ってない!!」
焦る私はコブラ君の手を掴んで走った。