第7章 コブラ 「ずっと想って」
「ミッドナイト様…、またこんなとこで寝てる」
最近ブレイン様に拾われた私は皆さんのお世話係というていで面倒を見てもらえることになった。
でもすることはしたいと思ってるし実際している。
今もミッドナイト様がどこにもいないから探しに行ってたところなんだけど見つけた場所は草むらの真ん中。
「……虫とか居そうなのによくこんなとこで寝られるな...」
そう呟いて起こそうと座って寝ているミッドナイト様の肩に手をかけた。すると後ろから声をかけられる。
「おい、そいつ起こさねえ方が良いぞ」
振り返るとコブラ様が木の上に座ってこっちを見ていた。
「そうなんですか?…でもこんなとこで寝てたら風邪ひいちゃいます」
そう言うも一応手を離した。
コブラ様はニッと笑って降りてくる。
「俺らはそんな事で風邪なんかひかねえの。それより、お前ちょっと前にここに来た奴だろ?俺と話さねえか?」
そう言われてんー、と考える。
まだ洗濯も終わってないし…、そろそろ料理も作らなきゃいけないんだけど。
でもせっかく声かけてくれたのに...。
「良いんだよ。ちょっとくらいサボっても。それにミッドナイトの奴が心配で来たんだから置いて行くってことはねえよな?」
……甘い誘惑。これは素直にのってみよう。
「そうですね。じゃあ、ここで話しましょうか」
私はミッドナイト様から4人分くらい離れた場所に腰をおろそうとした。
それを見たコブラ様は「違ぇよ」といきなり私の腰を引き寄せた。
「えっ…、と?」
近すぎて恥ずかしい。
顔を下に向けるとフッと笑われる。
なお恥ずかしくなって離れようとするとコブラ様はさっきより強く私を引き寄せた。
「キュベリオス!」
するとコブラ様の近くにいた大きな蛇が私たちを頭の上に乗せて木の上へ運んだ。
「離れてたらキュベリオスから落ちる」
「そりゃ離れますよ…!だって!」
……意識しちゃったって言ったらとんでもないことになりそうだから言えない。
「だって?何だよ?」
少しニヤッと笑ってから聞いてくる。
「………なんでもないです」
「俺はお前が虫苦手だろうと思ってこっちにこさせてやったのになぁ」
「…ありがとうございます」
「そうそう」
コブラ様は私を見てフッと微笑んだ