• テキストサイズ

短編 フェアリーテイル

第2章 グレイ 「多分貴方のこと」


「...は?」


グレイの顔に更に青筋が増える。


「だから!...ジュビアちゃんと付き合ってるんでしょ!!」


「は!??」


グレイの混乱した声を無視して私は女子更衣室まで走った。

ジュビアちゃんの黄色い声が聞こえてくる。
私はまた泣きそうになりながら服を着替えた。



会場から出ると今1番見たくない人が居た。
いつの間にか服を着替えて誰かを待っている彼がイライラしたように髪をかきあげている。

他の人達に紛れてそこを通り過ぎようとした瞬間手を掴まれた。


「...もう!何!?」


手を振り払おうとするといきなり抱きしめられた。


「...!嫌...!ジュビアちゃんがいるでしょ...!」


「違うって...。聞け。あの時怒ったのは悪かった。でもジュビアとは付き合ってない」


...嘘だ。


「本当だ。俺が保証する」


ラクサスがグレイの横から出てくる。


「...じゃあ、全部私の勘違い......?」


「...そうだ」


グレイは私の頬を両手で包んだ。私は恥ずかしくなって顔を真っ赤にした。


「もー...ほんとにごめんなさい...!私...」


「...俺ラクサスより信用ないのかよ」


グレイは私の頬をグッとつねった。


「う...。ごめんなさい...」


「...普通に会いに来いって言うのも本心。次からは直接フェアリーテイルに来い」


そう言われて嬉しくて笑った。


「...うん」


「おい。俺がいること忘れんな」


呆れ顔のラクサスが私たちを触った瞬間小さい電流が走った。



いつの間にか何処かの物置に飛ばされていた。


「...チッ、ムードねえとこに飛ばしやがって...」


グレイは舌打ちをして私の方へ向き直った。


「こんなとこで悪ぃが...。」


壁に追いやられてあごを持ち上げられる。そして、優しいキスを落とされた。


「...カナタが好きだ。多分俺も会った時から」


「......何それ」


2人で笑いあった後もう1度、キスをした。



-𝑒𝑛𝑑-----
/ 197ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp