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短編 フェアリーテイル

第20章 スティング 「早く俺のモンに」


「ちょっ…と、待って!」


私はスティング君の顔に手を押し付ける。
スティング君はまたむーっとふくれた。


「さっきから何なんすか?もしかして俺とこういう事するの嫌?」


「こういう事って…するつもりなの?」


「うん」


平然と頷く彼に気が遠くなる。
彼は経験が豊富なのかもしれないけど私は全くそういう事に疎いからこの歳で初めてなのだ。


「嫌じゃない…、怖いだけ」


「怖い?…ああ、大丈夫です」


余裕の笑みで微笑む彼に横に首を振る。


「貴方が大丈夫でも私大丈夫じゃないです!」


「もー…、俺我慢できねえっすよ」


必死に抵抗する私の手を掴んで上にあげた。
そして私の鎖骨にキスを落とす。

ビクビクしている私の頬を撫でながらスティング君は何度もキスを繰り返した。




スティング君は私の顔を見ながら微笑んでいる。
私は彼の胸に顔を埋めていた。

スティング君はほんとに優しくしてくれたから聞いていたほど痛くはなかったけどそれより恥ずかしい…。


「…俺カナタさんと繋がっちゃった〜。一生離れないでくださいね」


行為中も行為が終わってもずっとキスをしてくる。…痛いくらいの凄い愛を感じる。


「…これからは俺のカナタっすから」


急に呼び捨てにされて目を開く。
彼はニッコリ笑った。


「ん?またキスですか?」


私はこの愛が永遠に続く事を願いながら目を瞑って彼のキスを受け止めた。




結婚式に行くと全然ユキノが気にしてくれていたような事はなくて皆歓迎してくれていた。

アルのお嫁さんも優しそうで綺麗な人
2人は幸せそうに笑っている。

披露宴になって村の皆で盛り上がっているとスティング君が私の腰に手を回してくる。

そして私の耳元で拗ねたように呟いた。


「ほら、カナタがこんなに綺麗なドレス着てきたから寄ってくる虫が寄って来るんでしょ」


私は吹き出してしまう。
するとスティング君は私の頬を掴んだ。


「何笑ってんすか?俺真剣だよ」


「…はいはい」




「綺麗だなぁ、カナタ」

「お前狙ってんならやめとけよ。スティングって剣咬の虎のマスターだぜ?」

「…え、殺される?」



-𝑒𝑛𝑑--------
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