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短編 フェアリーテイル

第19章 ミストガン 「君ならいつも」


私が6歳くらいの頃、いつものようにお母さんと手を繋いで買い物に行っていたあの日。

いつもと同じ、いつもの道をお母さんと歩いて、いつものお店にご飯の材料を買いに行く。


「今日は何作ろっか?カナタ」


「そうだなぁ…。ハンバーグが良い!」


首を傾げて聞いてくるお母さんに私は言うとお母さんはふふ、と微笑む。


「カナタはほんとにハンバーグ好きねぇ」


私は握った手をぶんぶんと振りながら笑った。


「だってお母さんの作るハンバーグ美味しいんだもん!私何個でも食べられるよ!」


自信満々に言う私にお母さんはまた笑う。そして繋いでいない方の手を自分の頬に当てて、


「そんな事言われたら張り切っちゃうね。…今日は2個くらい食べられる?」


と聞いてくる。


「100個くらい食べれるもん!」


「あらあら」


その時は、まだ気づかなかった。




肉屋さんに着く。


「ミンチ肉くださーい!」


私がそう店に向かって言うも返事がない。
お母さんもんー、と考えている。


「お肉屋さん?大丈夫ですか…?」


お母さんがもう一度問うと店の奥のドアが開いた。おじさんは誰かにドアの奥にいる殴られながら言う。


「アマリリスさん!アンタら早くこの街から出て行きなさい!!じゃなきゃ、」


おじさんが倒れた。
おじさんの後ろにいるのは血塗れたマントをはおってこっちを振り向く数人。

それを視認した瞬間お母さんは私を抱えて走った。


「お母さ、」


「良い?よく聞いて。今から街の皆で鬼ごっこをするらしいわ。あのマントの人達から逃げながら隣町に行けたら勝ち」


私の言葉を遮って笑いながら話すお母さん。なんとなく鬼ごっこでは無いことは分かってた。

ひどく汗を流しながら走っている。すると近くの家から銃声が聞こえた。

私がお母さんに抱きつくと、


「あれはね、捕まえたっていう鬼の報告よ。あそこの人は捕まっちゃったみたいね…。でも私たちが隣町まで行けたら勝てるから」


と言う母。
後ろから男の人の怒鳴り声がした。


「待て!!止まれ!!」


「逃げるな、なんて不思議よね」


マントの男の人の言うことを聞かないお母さん。すると銃声が鳴り響いた。


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