第16章 エルフマン 「どこまでもロマンチックに」
あの日は私が眠たそうなのを見て彼はすぐに帰った。
そして、またデートの日。
今度はちゃんと行ける。
今日はプラネタリウムに行くことになっている。
そう、あのイベントチケットの場所。
「楽しみだね!」
手を繋ぐとエルフマンも少しぎこちなく握り返した。
…なんで抱きしめてきたりするのは平気なのに手を繋ぐだけで緊張するんだろ。
プラネタリウムを見終わって2人で話しながら帰る。
「凄かったね!…カップル席とか初めて!」
「俺もだ…。寝転がって2人で見られるなんてな。…しかも他から見えなくなるなんて…」
少し顔を赤くして顔を顰めている。
いや、どんな顔もエルフマンなら尊い。
私の手を握る彼の手に力が入る。
「……それで、カナタ。……もう少し、付き合ってくれないだろうか」
「…うん?いいよ?」
そう言われて馬車に乗る
遠いところなのかな?
着いたのは豪華なホテルで。
「…え、こんなとこ…。凄すぎる!」
チェックインして扉を開けるとお姫様の部屋みたいに可愛くて綺麗な部屋が目に入る。
下に見える街は色とりどりに光っている。
「…カナタ。…こっちに来てくれ」
エルフマンはベッドに座って手を広げる。
私はエルフマンの胸に飛び込んだ。
すると何も言わずに抱きしめられる。
「どうしたの?」
彼は真っ赤な顔をしながら私にキスをしてくる。
「んん…。…エルフマン?」
「……カナタ。嫌だろうか。嫌ならば、なるべく早く逃げてくれないか?…カナタともっと繋がりたいんだ」
恥ずかしいのか少し瞳が潤んでいるが表情は凄く凛々しくて、私は首を横に振った。
「嫌じゃないよ」
その声を聞いてエルフマンは私を押し倒した。
「…エルフマン」
すっかり寝てしまったエルフマンの髪を撫でる。
こんなに可愛い生物を私は見た事ない。
腕枕をしてくれている腕にキスをして私も彼に抱きつきながら眠った。
-𝑒𝑛𝑑-------