第12章 グレイ 「貴方の横にいたいから」
「皆に勝てるとこなんて全然無いの。だから、グレイの横にいられるのは私だけって…。根性だけはあるって皆に分かってもらいたい。だから何もしないで」
私がグレイの顔を見て微笑むと彼は顔を歪める。
それはそうだろう。彼は心優しい人だから。
下を向きながらため息をついている。
「何で守らせてくれねえんだよ…。素直じゃねえな」
「そんな私が好きなくせに」
肘でつつくといきなりキスをしてくる。
「っ!」
「俺もお前と別れる気もさらさらねえってそいつらに分からせてやるわ」
そう言って首筋に強く吸いついてくる。
「痛っ!何してんの…!」
「キスマーク。ここなら見えるよな」
そう言って満足そうな顔をしてからもう一度違うところにキスマークを付けてくる。
首だけじゃ足りずに私の手を取って腕にも、腰の辺りにもキスマークを付けてくる。
「……そこ見えないでしょ」
「分かんねえだろ。服めくれたときとか」
そう言って履いていたパジャマパンツにも手をかけた彼。
「ちょっ…、待って!」
「待たねえ。俺のカナタは意固地だからな。こんくらいやらせてもらわねえと?」
ニヤッとして笑う彼の顔を私は睨みつけた。
でも、2人して笑ってしまった。
グレイの寝顔を見ていると目が少し腫れていて泣かせてしまったのを実感する。
瞼を撫でると、
「んん…」
と起きそうになる。
そんな彼の頭を撫でてみる。
「グレイ。私の彼氏になってくれてありがと」
そう言って私も彼の首筋にキスを落とした。
-𝑒𝑛𝑑--------