第6章 in フラれちまった悲しみに(最早“in”は不要)
よろしくお願いします……?
翔「え?……え??
智くん、よろしくお願いしますって…そりゃ、どう言う…」
ポカンと口を開けて固まる俺に、智くんが可愛く小首を傾げながら言った
智「どうって、お付き合いするって意味だよ?何で?」
翔「Σおっ……!?」
(そ、そんなバカなっ!!
アッサリ振られる筈だったのにっ!?)
超受難体質な俺は、智くんの言ったことがどうにも信じられなくて
握った手をんばっと離して、後ずさった
智「…?どうしたの??」
益々可愛く首を傾げる智くん
翔「だ、だって智くん!まま松岡さんは?よりを戻したいって言われたんじゃないの!?」
智「………確かに、言われたけど」
智くんは少し俯いて握り締めた自分の手を見詰めた
翔「じゃ、じゃあ何で…」
智「……ちゃんと、前を向いて歩こうって、思ったから」
智くんは俯いて手を見詰めたまま言った
智「……だから、ハッキリ松岡さんにサヨナラを言って来たんだ」