第6章 in フラれちまった悲しみに(最早“in”は不要)
翔「智くん、俺……君の事、本気で好きになったんだ
確かに智くんとは、俺の童貞卒業の為って言う情けない理由で出会った訳で…
でも
こんなに好きになってしまったからには、そんな理由で智くんと結ばれたくなくて…
ただ男になる為にじゃなくて、君が好きだから…
…好きになって、改めて君を抱きたいって、思ったんだ…
……
…だから……つまり、その…」
俺は、智くんの体を離して、その両手をしかと握った
そして、真っ直ぐに智くんの目を見つめる
翔「……僕は、アナタが好きです
僕と、付き合って下さい」
智くんは、俺の顔をじっと見詰めて、しばらくの間黙っていた
それから、ゆっくり瞬きをして微笑むと
ギュッと俺の手を握り返した
智「有り難う翔くん……こんな僕で良ければ、よろしくお願いします」
翔「………
………
………
………
………え?」