第3章 in 初デート(顔合わせ時のみ保護者付き)
翔「…はい、チケット」
智「……ありがとう」
智くんはやっぱり複雑そうな顔をしている
(凄く遠慮深い人なんだなぁ///)
俺は、智くんのチケットを受け取ったのと逆の手を握った
翔「じゃあ、行こう」
智「……うん///」
智くんはそう言って、ちょっと恥ずかしそうに笑った
翔「植物園なんか、久しぶりだなぁ…智くんは?」
入り口でチケットを係りの人に渡しながら智くんにそう訊ねると
手を繋いだまま入り口を通過した智くんが、ちろっと斜め上を見た
智「ん〜……僕も久しぶりかなぁ?」
翔「そうなんだ、同じだね(笑)」
智「うん、同じだね(笑)」
ニコニコ笑い合いながら植物園の中をゆっくり散策する
智くんは興味深げに、手入れの行き届いた草花を見ては
「きれいだねぇ」
とか
「可愛いねぇ」
なんて言っている
俺はその度に相槌を打ちながら、心の中で
「いや、智くんのが100倍綺麗っす!」
とか
「そんなの、智くんの可愛さの比じゃないっす!!」
とか思っていた