第13章 愛の花を咲かせよう
実家へ向かって(途中、電車のが早くね?と気付きつつも)爆走しながら
俺は、智くんと今まで過ごしてきた日々を思い返していた
思えば
それは、俺の筆卸のお手伝いと言う恥ずかしい出逢いから始まった恋だった
だけど
間違い無く、俺達の出逢いは運命の出逢いだったハズだ
チェリーであるが故にフられ続けた哀れな俺と
囲われ、挙げ句身勝手に捨てられた幸薄い智くん
そんな俺達が出逢ったのは、偶然なんかじゃない
運命だったんだ
初めて逢ったあの日、一目で君に恋に堕ちたコトを
初めてのえっちに及ぶ際に、初めて優しくされて感動したコトを
今でも昨日の事の様に覚えてる
君とのえっちが気持ち良すぎて、ソレばっかになる俺を
イヤな顔一つせずに、そのカラダで受け止めて、変わらず愛してくれる君の優しさが…その笑顔が
混乱しきった頭の中を巡り、俺のパニック祭りを治めて行く
俺は
毎日見ているのにも関わらず
相変わらず俺の心を鷲掴んで離さない君の笑顔を
何でもない、俺達の日常を思い出して
その全てを
全ての瞬間の君を
深く、すんげく深く愛していると言うコトを
真冬の寒空の中、額から汗を滴らせ、鼻から液体を滴らせて爆走しながら
改めて、思い返していた