第13章 無敵の甘いモノ、頂戴? / 徳川家康
「結衣……覚悟していて」
「っ……何を?」
「俺が食べられる甘味は、わらび餅とあんただけだ」
「……っ、それって」
「うん、分かるよね」
「甘味は大人しく食べられて。
たくさん味わって、愛してあげるよ。
それが、あんたへのお仕置き。
……嫌、なんて、言わせないから」
真っ赤になった結衣を残し、勘定を払いに行けば、甘味屋の店員が朗らかな笑みを俺に向けた。
『仲良しですね』って、当たり前でしょ。
俺はこの子が可愛くて、それはもう……
─────何よりも愛すべき存在なのだから
「っ……家康!」
「ほら、帰るよ。極上の甘味食べなきゃ」
「〜〜〜………っ」
ああ、今日もいい天気だね。
温かく優しい日、空も高くて気分がいい。
そして、あんたが傍に居てくれるから。
きっときっと、今日も人生で最良の日。
きっと俺が道から外れれば、
この子は追いかけてきて正すだろう。
弱い俺を肯定して、抱き締めるだろう。
あんたが傍に居てくれたら、
人生それだけで意味があるから。
今日も、明日も、未来も、
あんたに恋して、焦がれて──……
今日も無敵の愛が花を咲かせるのだ。
無敵の甘いモノ、頂戴?
了