第12章 𑁍蒼色マリアージュ《蜜愛編》/ 伊達政宗
「あー、好い、好い……っ」
「まさ、むね……っはぁ、んっあぁ…!」
「結衣……」
「んぅ…っは、ん……!」
そのまま貪るように口づけたら、結衣もすぐさま応えてくる。
舌が深く絡み合い、くちゅくちゅと甘い水音を立てた。
結衣の瞳がとろんとしているのが解り、焦点が合っていないから、次に波に攫われたら意識飛ばすかもな。
それが解っていてもやってしまうえげつなさは、我ながらどうかと思うが……
せっかく『仲直り』なのだから、盛大にぶっ飛んでほしい気もする。
(可愛い俺の結衣……愛してる)
獣の腰つきが、行灯に揺れる影を映す。
艶かしい重なる姿も一緒に……落ちる。
動く度に褥が布擦れの音を響かせ、汗と露が染み込んで、しっとりと濡らした。
なりふり構わないほど愛せるのも、
生涯でお前だけだと確信にも近い予感がする。
『いつかの未来』を約束したのも、
その日だけでなく未来でも隣にお前がいると、
馬鹿みたいに信じられたからだ。
お前と見たいと思った。
お前に見せたいと思った、未来の奥羽の国。
ふにゃふにゃ笑うお前の隣で、
俺はきっと……同じように笑っているはずだ。
「結衣……っん、結衣……!」
「政宗、すき、すきぃ……!」
「俺も、愛してる」
「……っ、も、らめぇ…あっっ………!」
「っ、結衣…………!」
───────捕まえたら、離さない
「…………っっ」
俺は顔を歪め、内なる欲を全て吐き出した。
同時に結衣も幾度目かの頂点に登った。
吐精って、本当に気持ちいい。
躰から熱が突き抜けるように、全てが真っ白になって……
そして、やっぱり結衣は気をやった瞬間、意識を手放した。
くたっと横たわる結衣を見ながら、昂りを引き抜く。
ドロッと中から白濁液が溢れ出し、腹の中に収まりきらなかったのだと目に見えて解った。
「うーん、結衣には可哀想だが……やっぱり一回じゃな。足らねぇよな、正直」
こんなダダ漏れの情欲も、結衣には聞こえていない。
今は起こしはしないが……起きたら覚悟しろよ、と。
汗ばむ額に、軽く唇を押し当てて苦笑した。