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【イケメン戦国】花紅柳緑𑁍𓏸𓈒

第12章 𑁍蒼色マリアージュ《蜜愛編》/ 伊達政宗




「政宗も説明してよ、さっきの状況!」
「……まーな」
「まーな、じゃないよ!そもそも政宗がこんな場所に来なかったら、私も来なかったよ!」
「……」
「納得行くように説明して、なんでこんな事したの……?!」


口にするのは恥ずかしい。
格好悪すぎて、こんな黒い感情。
でも、言わなければ結衣は納得しないのだろう。

俺は一旦結衣の手首から手を離し……
顔を若干背けて、前髪を掻き上げた。


「……お前に嫉妬させたかったんだよ」
「え……?」
「お前と若旦那の噂や、二人が仲良くしてたのが気に入らなくて、俺ばかり嫉妬してるのが癪だった」
「……」
「お前も嫉妬すればいいと思って、知り合いに頼んだ。向こうが悪ふざけして、あんな状況にはなっていたが……お前以外は抱く気はねえし」


(……改めて言葉にすると格好悪いな、これ)

結衣をまともに見られない。
自分でも顔が火照っているのが解るくらいだ。
こんなに嫉妬に狂ったのは初めてだった。
お前は俺のものなのにって……
すごく苦しくて、焼け焦げそうなくらい焦がれた。

結衣の反応を伺いたくて、視線だけ結衣の方に向ける。
すると……結衣は何故だかニマニマと、腑抜けた笑みを浮かべていた。


「……なんだよ、その顔」
「政宗に嫉妬されるとか、嬉しすぎて……そっか、ヤキモチ妬いてたんだね、政宗は!」
「うるせえ、はっきり言うな。その顔やめろ」
「無理無理、嬉しすぎてにやけちゃう」


なんだこれ、ものすごい敗北感。
結衣に一泡吹かせてやろうと思っていたのに……完全敗北した気分だ。

結局は俺が一人で嫉妬して苛立ち、結衣を同じ目に合わせたいと引きずり込んだ。
結衣はあいつとは何も無い。
そんな事、はなから解っていたではないか。
結衣が心変わりするなんて、これっぽっちも思っていないし、揺るがない自信もある。
のに……呑まれた、醜い感情に。

やっぱり頭の線が切れて、俺はどこか壊れていたんだな。

ニヤける結衣を見ていたら、力が抜けてしまった。
なんだよこいつ、すげえ俺の事好きじゃねぇかと。
そう思ったら、少しだけ憎らしく……
可愛すぎて参ると、本気で思った。




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