第10章 初愛の君に終焉の愛を誓う / 豊臣秀吉
「気持ちを見せるって……」
「……そうだな」
俺は結衣の指を己の唇に触れさせる。
そのまま口角を上げて笑ってみせれば、結衣はますます頬を朱にして目を丸くさせた。
「私からするの……っ?」
「嫌か?」
「嫌なわけないよ、は…恥ずかしいだけ」
結衣は困ったように眉を寄せたが、やがてふっと表情を緩ませる。
行灯に照らされたその顔は綺麗で、少しだけ艶やかで……
その顔がそっと近づいてきて唇が重なった時。
─────とても明るい未来を見た気がした
お前を愛せて良かったよ。
『愛』の言葉がしっくりくるのはお前だけ。
だから……俺の『初愛』で『終焉の愛』だ。
その気持ちをずっと心に宿して生きていく。
お前と、どこまでも一緒に。
「秀吉さ、ぁっ……あっ……!」
「ん……っ結衣……」
深く重なり合って夜の帳。
一閃に煌めく愛が、体中を突き抜けて……
今宵もまた、二人だけの永遠を見た。
了