第6章 ある朝の攻防 / 豊臣秀吉
「いいよ、もっと甘やかして」
「え……?」
「私も秀吉さんにもっと愛されたい、愛してるから」
「っ」
「まだ躰が熱いから、責任取って?」
まるで拗ねてるみたいに秀吉さんを見上げれば、秀吉さんは困ったように笑った。
コツン、と額同士をくっつけられれば……
その榛色の瞳は、鮮やかな橙に変わっていた。
「そんな事言って、起きられなくなっても……知らないぞ」
秀吉さんはカッコイイ。
でも同時に可愛い人だ。
えっちな夢を見て勃っちゃうとか。
本当にもう……愛しくて参ってしまう。
これからもきっと、たくさん秀吉さんの知らない姿を見るのだろう。
恋仲になったのだから、たくさん知ることになるのだろう。
きっと、その全てが愛しいのだ。
私はそう思いながら、また彼の指に唇に熱に、溶かされていった。
了