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【イケメン戦国】花紅柳緑𑁍𓏸𓈒

第6章 ある朝の攻防 / 豊臣秀吉




(……朝、かな……?)

障子の向こう側が白くなっていて、陽が差しているのが分かる。
まぶたをゆっくり開ければ、私は少し気怠い躰でぼんやりしながら、昨日の夜の事を思い出していた。



​────秀吉さんと想いが通じて
私達は昨夜、初めて躰を重ね合った。
溶かされるように甘く愛された時間は、思い出すだけで少し照れてしまう。
とても満ち足りた夜で……本当に幸せだったな。



「ふふっ……あれ?」

思い出して思わず頬が緩んだ時、躰に逞しい腕が回っている事に気がついた。
背中からすっぽりと包み込むようなそれは、まるで私を守るかのように力強くて。
秀吉さんが私を抱き締めながら眠ってしまったのだと分かり、胸がきゅんと疼いた。

(後ろからハグとか……格好良すぎて困る)

秀吉さんの胸の中に収まってしまう私が小さいのか、それとも秀吉さんが大きいのか。
どちらにせよ、体温が混ざる感じで温かいし、幸せだなあ。
そう思っていると、


「結衣……」


秀吉さんがぽつりと耳元で私の名前を呼び、抱き締める腕に力を込めた。
少しびっくりしながらも、嬉しくてにやけてしまう。
私の夢、見てくれているのかな…とか。
そんな事を考えれば、幸せすぎて口元が緩むのを止められない。

……が。
その時、お尻にゴリゴリと何か硬いものが押し付けられているのを感じて、私は目を見開いた。
位置的に硬いものって言ったら……
瞬時に"ソレ"に思い当たり、思わず顔が熱くなる。

(これは……朝勃ちと言うやつでは!)

秀吉さん、昨夜達したのは一回じゃなかったはず。
その証拠に、私の脚の付け根は濡れ、布団に漏れてしまっているのが分かるくらいなのだから。
……もしかして、秀吉さん足りなかったのかな。
それを思えば、申し訳ない気持ちがせり上がってくるが、なんかちょっと様子がおかしい。


「ん……結衣……」


耳元を掠める、熱い吐息。
掠れた甘い声で甘い名前を呼んでは、腰を擦り付けてくる秀吉さん。
包む腕もだんだんキツくなってくるし、ぎゅうぎゅうと抱き締められながら思ったことは。



(まさか、秀吉さん…えっちな夢、見てる?!)




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