第11章 マッチ売りの少女…1月1日❤❤
涙で濡れたサラの瞳は思いつめたような悲しみの色をしていた。
「こっ…このまま…罪を重ねるのなら、いっそ…」
「ぐっ」
喉になにかが詰まったみたいな音がして、サラは顔を覆っていた指の隙間からホーリーを見た。
体を起こした彼は横を向いて少女から顔を背けていた。
「ググっ…」
「ほ、ホーリーさん……?」
その肩が震えているのを見て取り、サラは不審に思って起き上がる。
「あの…どこか痛みますか」
「グ…ググ…くうっ…グググ、グフッ…ぐぐふふ」
(え……これ、もしかして笑っているの……?)
笑い方まで気持ち悪いなんて。 サラは驚きを隠せずに肩を揺らすホーリーを見つめていた。
「ああ、せっかくしてる時にごめんねえ。 あんまりおかしくってさあ…グググ」
「………何がそんなにおかしいんですか」
「いやさ。 君の両親もふしだらなことをして君を作ったんだよねえ」
「……それはっ…結婚をして子供を作るための神聖な行為だわ」
「ふうん…じゃあ結婚しようか」
「え」
「グフッ!」
と、またホーリーが気味悪く噴き出すので、しまいに馬鹿にされてるような気分になったサラは憮然として口をつぐんだ。
「フフ…僕、愛してるって言わなかったっけ? これってふしだらなこと?」
昨日今日会って突然そんなことを言われても反応のしようがない。 サラは困り顔で黙りこくっていた。