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大人のおとぎ話 [ガチパロ]

第2章 みにくいあひるの子…旅の途中で




「ハックション!!」

道を走りながら、元アヒルのオオカミは盛大なくしゃみをした。

「ん………風邪かな。 おれ結構、虚弱なんだよね」

鼻をすすり今後のことを彼は考える。

(そういや。 真弥の家に行ったらあの弟がいるのか。 変態オオカミとか、かなりな言いぐさだったなあ)

「すると、人間で行った方がいいね。 それからどこかで洋服を調達しないと、裸で行ったらまた変質者扱いされそうだな」

ふむ、と頷いたオオカミは、途中で目に付いた民家の前で立ち止まった。

重たげな木戸を叩くと、ドアの隙間から小柄な女性が顔を覗かせた。

「何の用向きだ? こんな夜ふけに」

女性がオオカミを見て言う。

「こんばんは。 あの、男性用の服か、生地があれば分けてもらえませんか?」

「………そんなものを誰が着る?」

「おれだけど」

オオカミは簡単に事の経緯を説明した。
女性はつり目気味の目を伏せて、時々頷きながら彼の話に耳を傾けた。

「あいわかった。 が、タダでとは言えないなあ」

「なんでもします、体を動かすことでも家のことでも」

オオカミは頭を下げて女性に頼んだ。

「そんなにそのおなごに会いたのか。 フ……若いってのはいいもんだね。 ま、入れ。 今晩は遅いからこのババアの家に泊まっていくといい。 明日から手伝ってもらうとしよう」

(スタスタ中に入ってくこの人も若そうだけど)

不思議に思ったが、オオカミはおばあさんの家に泊まることにした。




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