第7章 ラプンツェル…妖精の物語♥️
なでなで。
リュートがいつもしていたみたいに、美和の頭を撫でた。
「いいんだ。 僕はそのうち、どちらかがこうなると分かっていたよ。 最期にきみと体を繋げられてよかった。 きみがあの火事に巻き込まれなくってよかった。 けれどもう、きみにも殆ど力は残ってないね」
そう言って微笑むリュートに美和は泣き笑いを返した。
彼が優しく美和の肩を抱き寄せる。
「仲間もほら。 今度はきみの役に立とうって。 僕と美和はあそこに還ろうよ」
ふわっ…
暖かい光に包まれた二人は消えゆく前に。
庭いっぱいに青々と葉を繁らせた、菜花にも似た眼前の白い花に目を凝らした。
「アレ………は、なんデスカ」
四肢八報に風になびく細い花茎はまるで妖精たちが戯れているようで。
「植物の名前だよ」
風にのったリュートの声が美和に囁きかける。
ラプンツェルっていうんだ。