第1章 喧嘩別れ
悠side
病院にある物を掻き集め簡易的な武器を作る。
ついでに食料も僅かだが持っていくことにした。
「先生、ほんとに行くんですか?」
「……行かないと困ってる人もいるだろうし……」
医療用具も必要になりそうな物をまとめる。
零音を探してワクチンに必要になりそうな血液や細胞も取得できたらまたここに戻ってこよう。
武器を片手に荷物を抱え病院の出口に立つ。
この向こうには地獄が待ってる。
そんな所に零音はきっといる。
早く助けに行かないと。
そして仲直りして指輪を渡すんだ。
「行ってきます。」
何人かがバリケードを開けてくれ、見送ってくれる。
誰一人として着いてくるとは言わなかった。
そっちの方が俺も楽だ。
外へ出ると想像以上の地獄絵図だった。
車で移動しようと車に向かう。
その間にも化け物は何体もいたが、動きはかなり遅い。
無駄に倒すことなく車に辿り着けそうだ。
無事に車の中に入りエンジンをかける。
音に反応して、興味を示さなかった化け物が一斉にこちらを向く。
やはり動きは遅い。
これなら大丈夫そうだ。
俺は1番に家に向かった。