第2章 トラウマ
零音side
「君はあの人達と知り合い?凄く執着されてるみたいだけど……」
「学生時代の同級生なんです。色々あって。もう会わなくて済むと思ってたんですけどね……そう上手くいかないもんですね……」
「何か手伝えることはあるかい?協力するよ?」
ずっと僕のことを気にかけてくれていたんだろう。
僕の目をまっすぐ見てくれる。
「嬉しいです……でも僕みたいな人を増やしたくないので……大丈夫ですよ」
銃で撃たれるのがこんなに痛いなんて。
「君は優しいね……いや、優しすぎるよ……どうしてこんな子が苦しい目に会わなきゃいけないんだろうね。」
「僕は慣れてますから……きっと僕の恋人が助けに来てくれます……それまで耐えるしかないんです。……まぁ最低なことしちゃいましたけど……」
彼はふっと微笑み僕の手を握った。
「あぁ。きっと許してくれるさ。」
僕は彼にこれ以上僕に関わらない方がいいことを伝え部屋を出てもらった。
いい人だ。
だからこそ巻き込みたくない。
生きてて欲しい。