第2章 トラウマ
零音side
右脚の調子は変わらない。
ここに来てから1週間になる。
須賀原くんは相変わらず僕を部屋に呼び、無理やり性行為を強要してくる。
僕もどんどん分からなくなっていた。
このまま僕は死んでしまうのか。
悠に会えずに終わってしまうのか。
ごめんねって言えないのか。
「うっ……ぁう……い゛っ……だ、だめっ!まっ……イくっ//」
「イけよ……ほら……中に出してやるから」
「っ!だめ……抜いてくださっ……あ゛ぁ! はぁはぁ///」
腰がガクガクと震え、僕のお尻からは大量の精液が流れてくる。
「あぁ……はぁ……はぁ//」
「あー最高だわ……」
須賀原くんがベッドの上に腰掛け煙草を吸っている。
「っ!あの……煙草やめてください……」
「あ?何俺に命令してんの?」
「その……僕……喘息で……けほっけほっ!」
僕の顔に煙を吹きかけられ息が苦しくなる。
須賀原くんは咳き込む僕を面白そうに見つめ煙草を吸うのを辞めない。
「お願いしますっ……はぁはぁ……ヒュー」
息ができない……
僕が喘息を発症したのはいじめが始まってからだ。
ストレスが原因だった。
ここ暫くは何ともなかったからもう平気だとばかり思っていた。
だっていつも悠がそばに居てくれて、いじめなんて無くなったから。
でも今は……
「げほっげほっ!はぁっはぁっ!」
呼吸が乱れてきた。
涙も溢れてくる。
「お願い……します……なんでもします……から……はぁっはぁっ」
「ふーん……」
須賀原くんは煙草の火を消してくれた。
「…死なれちゃ困るんだけど?…袋いる?」
「……はい……」
僕は袋を貰い大きく呼吸をする。
「はぁ……はぁ……」
少しだけ落ち着いてきた。
僕は一生このトラウマを克服出来ないのかもしれない。