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【R18】アンデッドラブ

第2章 トラウマ


零音side

「やぁ、起きたかい?」

洗面所から出てきた男性の手には濡れたタオルが。
何度かロビーで見かけた人だ。

「廊下を通りかかったら叫び声が聞こえたから……その脚……あの人達かい?」

「あ……えっと……」

この人が処置してくれたのだろうか。
お礼を言わなきゃ……

「……はい……その……ありがとうございます。脚の処置。お医者さんですか?」

「いや、僕は医者じゃないよ。医療の現場では働いていたけどね。ごめんね、勝手に処置しちゃったよ。僕の持ってる限りの知識でしかないけど。」

温もったタオルを僕に渡してくれる。
よく見たら汗だくだ。
体が少し冷えている。

「その脚だと、お風呂には入れないと思うから軽く体を拭くといいよ。」

「……ほんとにありがとうございます。処置完璧ですね……」

僕の脚に巻かれた包帯を撫でて、過去に怪我した時に悠が処置してくれたのを思い出す。

「君こそ医者なのかい?」

「あ、いえ……僕の恋人がそうなんです……自分でできる範囲の処置は教えて貰ってて。」

「そっか……無事だといいね。」

僕の表情を見て察したのか背中を撫でてくれる。

「きっと無事です。」

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