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【R18】アンデッドラブ

第2章 トラウマ


零音side

さっき僕を助けてくれた女の子が頭に過ぎる。
そういえばあの子肩が血だらけだった。
出血が止まらないみたいだったし、顔色も悪かった。

周りを見渡すが、その子の姿が見当たらない。
どこに行ったんだろうか。

須賀原くんが全員をロビーに呼んだ。
20人はいるだろうか。
その中にも彼女の姿は見当たらなかった。

「単刀直入に聞く。噛まれた可能性のあるやつは前に出ろ。」

須賀原くんが銃を掲げロビーの受付台に立つ。
殺す気だ。
殺されると分かって素直に出てくる人なんているわけが無い。

「……仕方ないな……全員1人ずつ俺らの前に出てこい。身体検査だ。……零音、お前は並ばなくていい。噛まれてないことは確認済みだからな。」

さっき身体を見られたからだ。
思い出すだけで身体が恐怖で震える。

全員が1列に並び、須賀原くん達に噛み跡が無いかチェックされる。
幸い、誰も噛まれていないようだった。
その場にいた全員がホッとし、それぞれ部屋に戻っていく。
僕も部屋に戻ろうと階段に向かうと須賀原くんに引き止められた。
次は何をさせられるんだろう。
でも言うことを聞かないと殺されてしまう。

僕は素直に須賀原くんの元へ歩いた。

「零音、ちょっと確認したい部屋があってな。付いてこい。」

縄を手に持って不敵な笑みを浮かべている。

「……はい。」

僕はただ言うことを聞くしかできない。
逆らえば殺される。
僕は黙って腰辺りに縄を巻かれた。

そのまま受付の裏へと連れていかれる。
スタッフしか入れない場所だ。
さらにその奥。
『倉庫』と書かれた部屋の前へと連れてこられた。
その扉を開けると中にはタオルやシーツ、コップなどの備品がおかれていた。

そしてそのまた奥。
僅かに扉が開いている部屋があった。
誰か入っていったのだろうか。

「零音……見てこい。」

「え……ぼ、僕が?」

「あ?行って来いっつてんだよ。」

銃口を腰に当てられる。

「は、はい……」

僕は扉の隙間から感じる恐怖に怯えながらも歩みを進めた。
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