第2章 トラウマ
零音side
悠が僕の体を引き上げてくれ、 遺書を手に取った。
そこには僕が虐められていたことの全てと悠への恋心を書いていた。
それを見て悠は僕を抱きしめてくれた。
「俺はお前が好きだ!愛してる!」
「悠……ほんとにいいの……僕で……」
「いい。絶対幸せにする。だから付き合ってくれ。」
「っ……はい……」
それから10年。
悠はずっと僕のことを愛してくれていた。
幸せにしてくれた。
身体を合わせるまでは僕のトラウマのせいでかなり時間がかかった。
それでも悠はずっと待ってくれた。
何度もトラウマを思い出して精神が乱れることは何度もあった。
その度に悠は僕を抱きしめて落ち着かせてくれた。
でも今は……悠はいない。
またあの時と同じ。
僕は1人だ。
やって行ける自信が無い……
「死にたい……」
ボソリと呟く。
こんなの聞いたらきっと悠は怒るだろうな……