第3章 存在
壁外調査当日
門の前で馬に乗り、その時を今かと待つ調査兵団。
周囲にはその様子を見に集まった野次馬や、家族を思う者達で混み合っていた。
馬に乗り、浮かれていたハンジは、横で珍しく嬉しそうな顔をしたリヴァイに気づく。
「リヴァイ珍しいね。楽しそうじゃないか。何があったの?」
「…あぁ。帰ってくる理由が出来た。」
「そうか…。じゃあ帰ってこよう。ここに。」
「当たり前だ。」
リヴァイの中でのマリーの存在と、マリーの中でのリヴァイの存在がそれぞれ大きく、特別になっていると感じ、ハンジは嬉しく思い、心が温かくなった。